米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設が計画される名護市辺野古沖のサンゴをめぐり、沖縄県は17日、野村哲郎・農林水産相が防衛省からの移植申請を許可するよう県に出した是正指示の取り消しを求め、福岡高裁那覇支部に提訴した。
防衛省は昨年7月、埋め立て工事を進めるため、軟弱地盤の海域に群生するサンゴ約8万4千群体の移植を県に申請した。県は軟弱地盤対策をめぐる防衛省の設計変更申請を承認しておらず、サンゴを移植する必要性は認められないなどとして許可しなかった。
防衛省から審査請求を受けた農水相は昨年12月、県の不許可処分を取り消す裁決をし、今年3月には県にサンゴの移植を許可するよう是正指示。県は不服として、総務省の国地方係争処理委員会に審査を申し出たが、委員会は7月、防衛省からの移植申請は「必要性の基準を満たしていると認めるのが相当」などと判断し、県の訴えを退けた。
玉城デニー知事は提訴後に出したコメントで、委員会の判断について「極めて問題があり、その結論は到底容認できるものではない」と批判。「県としてはこの裁判で、是正の指示が違法であることなどを強く主張していく」とした。
辺野古移設計画をめぐる国と県の訴訟は13件目。県が2021年に防衛省の設計変更申請を不承認とした処分をめぐる訴訟については、最高裁が近く判断を示すとみられる。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル